ソーシャルディスタンスがもたらした視覚障がい者への影響とは?
2021/01/15
人と人との距離を確保する“ソーシャルディスタンス”は今や社会の常識となっていますね。
では、この新しい生活様式は視覚障がい者にどのような影響を与えているのでしょうか。
■手を引いて誘導される機会が減っている
悲しいことではありますが、駅のホームから視覚障がい者が転落する事故は一向に無くなりません。
国土交通省の調査によると、視覚障がい者がホームから転落して死亡したりケガをする事故は年平均で70件を超えているそうです。
・駅ホームからの転落に関する状況(外部リンク)
www.mlit.go.jp/common/001251591.pdf
※国土交通省ホームページより
そしてコロナ禍で視覚障がい者にとって事故のリスクがさらに高まりました。
これまでは駅員や一般の乗客から手を引いて誘導してもらえることがしばしばあったのですが、ソーシャルディスタンスが浸透した影響でその機会が激減しているのです。
■命を救うための“声かけ”のやり方が啓蒙されている
これを受けて日本点字図書館は視覚障がい者と接触しなくても声をかけなどをしながら上手く誘導できる方法をホームページに公開しました。
たとえば“危険が迫っているときの声かけは「下がってください!」ではなく「止まってください!」が適切”といったことが記載されています。
方向感覚を失っているときに「下がってください!」と言われると線路に向かって進んでしまうリスクがあるからです。
■距離を保ちながらも事故は防げます!
視覚障がい者にとっては慣れない駅に行ったときに点字ブロックを頼りにするだけでは不安を感じるときがありますよね。
新しい生活様式では、マスクをしてソーシャルディスタンスを保ったうえで適切な声かけをし合うことが転落事故を防ぐ手段だといえます。
ナレバリコミュニティ
有料バナー
関連記事
-
視覚障がい者の二人が音を頼りに近づいていく 映画「イマジン」公開
ポーランドの映画監督アンジェイ・ヤキモフスキによる、視覚障がい者同士のラブストー …
-
【視覚障害者向け】iOS用日本語入力アプリ、ドコモが開発
NTTドコモが、手元を見ずに文字入力ができ、視覚障害者でも便利に利用できるとい …
-
住宅で使用されるハイテクバリアフリー設備
障がい者の人が快適な生活を送るためには、住宅のバリアフリーが充実していることが望 …
-
ドコモ、次世代電動車椅子「WHILL」の共同利用サービスで提携
ドコモと次世代電動車椅子を開発するWHILLが提携。通信機能などを搭載し、公共施 …
-
JFAによる障がい者サッカー協議会が開設
現在7つの団体がある障がい者サッカー。2020年の東京パラリンピック開催に向けて …
-
地方からのユニバーサルツーリズム 国の支援体制も?
ユニバーサルツーリズムとは、障がい者や高齢者が旅行を快適に楽しめるよう、コーディ …
-
インターネットで広がる世界
障がいがあると、簡単に外に出ることができなくなり、社会とのつながりが薄れていく …
-
障害者と家族を助けるバリアフリー化補助金
ある日突然、大切な家族が誰かの支えがないと生活することが困難になってしまった場 …
-
街の自転車屋さん、車いすも整備 「安全整備士」資格者、ただいま増加中
街の自転車屋さんが車いすを整備するケースが増えている。購入者の「近所で修理を頼め …
-
自分ができることを見つけよう! 『〈できること〉の見つけ方――全盲女子大生が手に入れた大切なもの』
「周囲からいろいろと助けていただく代わりに、私にできることは誠実でいることだけで …
- PREV
- 健康維持のためにできることを実践しよう
- NEXT
- 障がい者の大変な日常生活