祖父への思いを胸に努力を続けてメダルを手にしたスキー選手

新田佳浩氏は3歳の時に左肘から先を事故で失うという不運に見舞われました。畑で祖父が運転していたコンバインに左腕を巻き込まれてしまったのです。自分の不注意で最愛の孫の腕を失わせてしまった祖父のショックは大きく、その後もずっと祖父は自分を責め続けていました。
新田佳浩氏は左腕を失った悲劇に打ちのめされる以上に、そんな祖父が不憫でなりませんでした。祖父が度々自分を責める言葉を口にする姿を見るにつけ、辛い思いをしてきたのです。
祖父を喜ばせるために新田佳浩氏はパラリンピックで優勝することを目標とするようになりました。17歳からパラリンピックのノルディックスキー選手として活躍を始め、4大会連続で金メダル獲得に挑戦することになったのです。
2006年のミラノパラリンピックでは金メダルを期待されていましたが、滑走途中で転倒してしまい残念ながらメダル獲得はかないませんでした。転倒しながらも不屈の精神で立ち上がり、必死に滑り続けたのは祖父への熱い思いがあったからに他なりません。
転倒によって彼は更に精神的に強くなり、金メダルへの思いはますます強くなりました。そして万感の思いを込めて臨んだバンクーバーパラリンピックでは、ノルディックスキー男子スプリントと男子ミドルでついに金メダルを獲得することができたのです。
4年後のソチパラリンピックでは男子ロングで4位に終わりましたが、平昌パラリンピックでは再び男子10kmクラシカルで金メダルを取り、祖父への思いを実現した新田氏に多くの人が感動し惜しみなく賞賛の言葉を送りました。
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